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中国農業研究001

ゲームの理論による中国労働者の行動原理についての感想

石川滋(1999年5月25日)「開発経済論特修U」の講義ノートより。

■暫定的な解釈

 極大化原理に基づけば、左表(PDFファイル参照)の場合は10の効用を得られる”どちらもまじめ”が選ばれるのであろうが、ゲーム理論では最大の効用を得ようと自分がある行動をしても相手の行動いかんでは結果的に最悪の事態になることを想定する。その場合、自分(プレイヤー)は、積極的に効用を最大にしようとするよりは、消極的、堅実に最悪の事態を避けるように行動する。中国の場合、農民がまじめに働いて10の効用を得ようとしたが、集団農業の経営者がずるいまたは計画自体に問題があるなどして結果的に農民はまじめに働いたにもかかわらず、効用(報酬)が少ないという事態が起こったと考えられる。すると多くの農民が次第にまじめに働かなくなった。つまり、農民は最悪の事態を避け、3の効用を得るために”ずるい”を選択するようになった。

城西大学大学院 石川滋研究室
1999年6月1日 内田真人
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ファイル種別 ファイル名 サイズ 初掲載日 最終更新日
全文PDFファイル GameTheory.pdf 69KB 1999-06-01 1999-06-01