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中国農業研究006

石川滋(1992) 「第1章緑の革命以後における新しい農業問題の登場」『アジアの農業と日本の農業』。

■研究対象
いつ:
1945-1990年。
どこ:
中国、インド、日本、台湾、韓国。
だれ:
外国人研究者。
なに:
農業の構造変化、食糧問題、緑の革命。初期条件が近いインドと中国の比較。アジア型農業発展において先行する日本、台湾、韓国とインド、中国の比較。
目的:
日本農業の経験は近隣のアジア諸国に応用可能か。(掲載誌:『アジアの農業と日本の農業』の問題意識)。途上国における食糧問題の解決を意図した緑の革命は、多くの国においてその使命を果たしたが、今日のアジア諸国には、”緑の革命の第2世代問題”とでも呼ぶべき新たな農業問題が出現している。このような問題を「緑の革命」の成果と関連づけながら、マクロ経済的かつ発展段階的パースペクティブの下に理解し、かつ将来の展望を企てる。
■枠組・アプローチ
  • 開発経済学。
  • 現状分析と予測。
  • 比較研究。
  • 食糧問題。
  • 第1世代問題、第2世代問題。
■結論

「緑の革命」は食糧問題の解決に大きな貢献をした。

「第2世代問題」とは、シュルツがいう”食糧問題”が解決した後にあらわれる”農家問 題”のことである。

「第2世代問題」の内容には、人口周密な農業国と天然資源の豊かな農業国で差がある。 人口周密な農業国はW.A.ルイスやフェイ・レニスの「無制限労働供給型開発モデル」(「2重経済型開発モデル)によって食糧問題を解決すること(農業の生産性突破)ができる。 天然資源の豊かな農業国はラ・ミントの「余剰吐け口理論」を工業化段階まで拡大した開 発モデルによって食糧問題を解決すること(農業の生産性突破)ができる。

緑の革命の「第1世代問題」に当たる食糧問題の解決のためには、それに適した制度が必 要である。しかし、その制度は「第2世代問題」を解決するためには障害となる。「第2 世代問題」の解決のためには構造調整が必要になる。

「第2世代問題」の解決のためには、日本・台湾・韓国型が考えられる。(図4を参照)

城西大学大学院 石川滋研究室
1999年8月6日 内田真人
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ファイル種別 ファイル名 サイズ 初掲載日 最終更新日
全文PDFファイル midorinokakumei.pdf 60KB 1999-07-13 1999-07-13