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グローバリゼイションについて

はじめに

 中国ではglobalizationの訳語は”全球化”が使われているようだが、日本では”世界化”が使われているように思う。この言葉をキーワードにした講義を何度か聴いたが、授業で聴いた解釈と私が日本で学習した解釈は、若干違うように感じられた。この原因はおそらくこの言葉が、第1に新しく、第2に英語であり、第3に多くの学問分野で使われているからであろう。

 この言葉が新しいことは、手持ちの経済事典からもすぐにわかる。長谷田彰彦著『完全体系 経済学事典』は1984年に出版されているが、この本にはglobalizationという言葉は載っていない。金森久雄他編『有斐閣 経済辞典 第3版』は1998年に出版されており、この本にはglobalizationという言葉が載っている。私は1994年から1998年まで日本の大学で経済学を学んでいたが、globalizationという言葉はあまり使っていなかった。これに相当する概念は、国際化(Internationalization)であった。

 この言葉が英語であることは辞書を引けばすぐに分かる。言葉と文化は密接な関係があり、外国語の意味を完全に自国の言葉で置き換えることは出来ないであろう。つまり、原語と訳語の意味には、ズレが生じる。

 この言葉がいろいろな分野で使われていることは、毎日のニュースから分かる。私は主にインターネットを使って日本語のニュースを読んでいる。そこでは、いろいろな分野の専門家がglobalizationという言葉を使い、時にはその言葉の意味についても話している。例えば、経済学者は市場が世界規模になることだと語り、政治学者は文明が衝突することだと解釈したり、唯一の超大国が影響力を世界に及ぼす過程だと言ったりしている。

 私はこのような多義的な言葉について語る前にこのレポートの目的を明確にすべきだろう。私は経済学者の視点で日本語の”世界化”が表す意味について考察する。


■目次
  • はじめに
  • 対外経済貿易大学とGlobalization
  • 日本とGlobalization
  • 国際化とGlobalization
  • Globalizationとは、
  • おわりに
中国 対外経済貿易大学
2002年 内田真人
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ファイル種別 ファイル名 サイズ 初掲載日 最終更新日
日本語PDFファイル t02c010.pdf 226KB 2002-XX-XX 2002-XX-XX