森田ゼミ96年福助黒旗トップ

hukusuke 黒旗 
 
発行所 :Y.H.アカデミー
パトロン:森田ゼミナール様
「前期発行終了に寄せて」    編集人:山路 博之
〈『黒旗』新聞について〉

 『黒旗』発行の目的は、森田ゼミナールT(以下ゼミTと称す)の授
業内容を記すことにあります。つまり、ゼミIの活動状況を報告するい
わば、「日記」としての位置づけが『黒旗』には課せられていました。
 前期『黒旗』12回を無事に終了して、内心ほっとしているのが今の
偽らざる気持ちであります。毎週の発行を通して、感じたことが多少あ
るので、それを簡単に記して前期『黒旗』発行終了の挨拶と代えさせて
頂きます。皆様、ご愛読どうも有り難うございました。

・口頭発表の作法と技法
 以下の文章は、小林康夫・船曳建夫 『知の技法』(東京大学出版界,
1994年)の書物から、「口頭発表の作法と技法」の部分を引用(234
-253ページ)させてもらいました。今後皆さんが、ゼミ内外における発表
の時、お役に立てれば幸いと存じます。

1、口頭発表の心得
 ・限られた時間の中で、自分が所有する情報や主張を話し言葉を用い
  てできるだけ正確にわかりやすく聞き手に伝えること
 ・自分の話した内容について聞き手と議論すること
 ・相手に向かってわかりやすく正確に話すこと、制限時間を守ること

2、口頭発表の基本
 ・焦点のはっきりした内容を話すこと

3、全体の構成のたて方
 ・前置き(入り口)と本論(中央会場)と結論(出口)の三つで構成
 ・前置きでは、これから話そうとする論点の要約、発表の構成と順序
  を明示する
 ・本論では、自分の主張に関して、それを支持する事実を述べながら
  証明していく
 ・調査した事実(あるいはテキストに書かれている記述)と、それに
  対する自分の意見を混同しない
 ・結びでは、聞き手が発表の内容の焦点を記憶できるようにまとめる

4、ハンドアウト(レジュメ)の作成
 ・読みやすく、内容も整理されたものでないとハンドアウトとは呼ば
  れない
 ・聞き手が書き込みしやすいように、余白を多めに残す気配りも重要
  である

5、効果的な発表
 ・発表草稿を用意する
 ・疑問型を用意する
 ・自分がわかっていないことは話さない
 ・1にも2にもリハーサルをして‘あがり’を防ぐ
 ・ほかの人の発表の良い点を「盗め」
 ・無用な語(「……けれども」、「……が」)や、中継ぎ語(「アノ
  ー」「ナンカ」「エート」「ソノー」)等の、聞き手に対して耳障
  りな言葉は少なくする努力をする

  口頭発表は相手に対して行う社会的な行為です。他人に対して責任
  を負っているのだということをくれぐれも自覚してください。