張ゼミ通信　96年9月2日号

理想の都市シンガポール　　長

　アジアでも1、2を争うきれいで大きなチャンギ国際空港を出て、ネ ムの木が覆う高速道路を抜けると密集した高層ビルが立ち並ぶシンガポ ールの中心部にさしかかる。もっとも中心部と言っても国自体が淡路島 と同じ位の面積なのだからどこからでも中心部までの距離はそう遠くな いのだが・・・・。

　ところでシンガポールを少し違った角度から日本と比較してみると、

            シンガポール          日本
ＴＶ普及率    5人に1台          1.7人に1台
電話普及率    2人に1台          1.8人に1台
識字率        88%               99%
大学進学率    11.8%             29.6%
平均寿命      男  70歳          男　75.9歳
              女  76歳          女  81.7歳
栄養摂取率    2,636Kcal         2,653Kcal
都市人口比率  100%              76%

　以上のようにシンガポールと日本では生活においてあまり大差はない ようである。むしろ日本より豊かなのでないかと感じたほどシンガポー ルは発展した国でした。

　シンガポーリアンは華人77.6%、マレー系14.2%、インド系7.1%、その他1%で構成されている。ちなみにシンガポールに在住している日本人は25,000人くらいである。シンガポールの国語は マレー語であるが、共通言語として英語が使われている。しかし、シン ガポールの英語は中国、マレー、インドの独自の方言をすべて取り入れ たものでイングリッシュならぬシングリッシュと呼ばれている。でも僕 はそういったシングリッシュとは遭遇せずホテルの人やみやげ物屋の人 の会話は驚くほどきれいな英語だった。

　シンガポールは、自由経済、門戸開放を標榜す る政府の積極的な外資導入、たとえばたとえばビ ザが容易に取得できるとか外国人の受け入れ態勢 がとても良いなど、この他にも外資に頼らざるを 得ないシンガポールは、外資導入のために色々な 優遇措置をとっている。ところでアジアのリージ ョナルセンターを目指すシンガポールは、製造を マレーシアやシンガポールでおこなっいて、さら に中国、ベトナム、インドにも工業団地を設立し ている。そして統括やデザインは自国で担当する というシステムをとっている。

　独立以来着実な発展をしてきたシンガポールも、資源が全くないため コンピューター関連など産業の高付加価値化を目指しているものの、シ ンガポール経済に政府も危機感を抱いているという。

　最後に、シンガポールは本当にきれいな国である。街は人が住むのに とても快適に設計してある。人工的な部分と自然的な面とが見事にマッ チしており、法律的にも人に害があるもの、たとえば自動車、煙草、酒 には驚くほど高い税金がかけられている。とても人に優しい国である。

「日本よりシンガポールに住みたい！」

というのがシンガポールを訪問して素直に感じたことである。