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(続)中国経済の書籍について

資本形成、近代化と脱途上国

内田真人

2010年8月

はじめに

 中国に渡航してから約10年間に読んだ中国経済の書籍を一覧にした。

 中国で中国経済を研究していると中国経済の理解が中国人に及ばないことを痛感する。それでも研究を続けるならば、自ずと”比較優位”がある開発経済論に活路を見出すしかない。開発経済論の資本形成に関連するものを、近代化、特に農業近代化を、脱途上国(先進国経済)をにした。また、「中国経済」ではないが、「中国関連」の本と「金庸小説」も読んだので、列挙した。

 太字は注目している書籍である。また、お勧めの書籍は[Amazon]にリンクしておいたので、ぜひ一読して欲しい。

中国経済

  1. 高橋五郎(2009)『農民も土も水も悲惨な中国農業』朝日新書

  2. 竹森俊平(2008)『資本主義は嫌いですか---それでもマネーは世界を動かす』日本経済新聞社

  3. 香港・日本経済委員会 編(2007)『進化する香港---潜在競争力「世界一」の秘密を探る』株式会社エヌ・エヌ・エー。

  4. 日本経済新聞社編(2006)『中国 大国の虚実』日経ビジネス人文庫。

  5. 陳桂棣、春桃 著、納村公子、椙田雅美 訳(2005)『中国農民調査』文藝春秋。[Amazon]
  6. 清水美数(2005)『中国農民の反乱---隠された反日の温床』講談社+α文庫。[Amazon]

  7. 小室直樹(2004)『経済学のエッセンス---日本経済破局の論理』講談社+α文庫

  8. 程暁農 編、坂井臣之助、中川友 訳(2003)『中国経済 超えられない八つの難題』草思社

  9. 日本経済新聞社編(2002)『中国 世界の「工場」から「市場」へ』日経ビジネス人文庫。

  10. ヤーギン&スタニスロー、山岡洋一訳(2001)『市場対国家・上』日経ビジネス人文庫。

  11. ポール・クルーグマン(2000)『良い経済学 悪い経済学』日経ビジネス人文庫。

中国関連

  1. 竹内実(2009)『中国という世界---人・風土・近代』岩波新書。

  2. 育大○子(2008)『香港日本人駐在員ニセセレブ妻たちの生活』文芸社ビジュアルアート。

  3. 渡辺賢一(2007)『和僑 15人の成功者が語る実践アジア起業術』アスペクト。

  4. 邱永漢(2004)『これであなたも中国通』光文社。

  5. 渡辺浩平(2003)『中国ビジネスと情報のわな』文春新書。

  6. 村山宏(2002)『異色ルポ 中国・繁栄の裏側 内陸から見た「中華世界」の真実』日経ビジネス人文庫。
  7. 興梠一郎(2002)『現代中国 グローバル化のなかで』岩波新書。
  8. 岡部牧夫(2002)『海を渡った日本人』山川出版社。

  9. 山岡俊介(2001)『ぼくの嫁さんは異星人』双葉社。

金庸小説

おわりに

 ここ10年間の大きな変化は、陳桂棣や程暁農や何清漣といった方々の著作が日本語で読めるようになったことだろう。中国人研究者の著作といえば、従来は日本華人教授会議に所属するような在日中国人研究者のものしか日本語で読めなかった。中国経済への社会的な関心はますます高まっている。

 しかし、個人的には中国関連を含めても約20冊しか読んでいないことになる。社会人になったので、机に向かってゆっくり専門書を読む時間が取れなくなってしまった。読んだ本も大半が携帯に便利な文庫や新書である。

 社会人なって専門書の読書量は減ったが、中国で社会経験を積んでいる。そして、本から得た知識と経験が結びついてきている。今後は、経験をふまえた中国経済の研究に力を入れていきたい。


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