MUPN 城西大学森田昌幸ゼミナール「福助１号政治学政治権力について」

　福助１号　　

発行所　：Ｙ．Ｈ．アカデミー
パトロン：森田ゼミナール様

政治学　政治権力について

　政治権力他者をその意志に反して動かすことのできる力を、一般に権力という。社会にはさまざまな領域でそれぞれの権力が存在しているが、特定の地域内において究極的優位性を有し、服従しない場合には合法的に物理的強勢力を行使しうるものを政治権力という。ある一例を用いて、さらにくわしく述べると以下の通りである。
　例えば、大昔100人の人間は、己の生命・自由・財産を守る権利と力を他人に保障させるために、100本分の剣を振りかざして主張したものである。そのため、多くの殺し合いが発生した。そこで、100人が一斉に剣を捨て、その捨てられた剣を合成して、一本の剣を作るに至った。ここで述べている「一本の剣」とは、すなわち主権のことである。

　では、我々の祖先は、具体的に一本の剣を作るためにどのようなことをしたのであろうか。今日でいう憲法に近い、約束事を決めたのである。

　しかし、ここである問題が発生することになる。それは、捨てられた100本の剣を合成して作られた一本の剣を、毎日100人全員で持ち歩くことはできない。つまり、約束違反者が出ないように、100人全員で毎日監視していては、食べ物等の生産者不在となり、日常の生活に支障をきたすことになる。
　そこで、100人の中から例えば5人を選んで、その人達に主権という「一本の剣」を預けることにした。選ばれた5人を政府要人、その政府に預けた剣（一本の剣）を政治権力と呼ぶようになった。
（次回、民主主義）

（ポイント）
・権力は人と人との関係の中で生まれる。
・政治権力とは、政府と国民の関係の中で成立する。又、すべての住民を服従させることができるような身体的強制力という性質も、政治権力は兼ね備えている。
・政府というのは、絶対に少数支配になる。（例外：スイス）