森田ゼミ96年黒旗福助トップ

hukusuke  福助6号  
発行所 :Y.H.アカデミー
パトロン:森田ゼミナール様

ウイルス:Virus その1  J.A.(薬学部)

 皆さんこんにちは、J.A.というものです。農協の回し者ではありません。今回この機関誌に投稿してくれとせがまれ、年下の頼みということもあり、しかたなく引き受けることにしました。いわば、「義理投稿」です。しかし、一端投稿することを引き受けたからには、それなりの内容を情報として伝えていくつもりです。

 一応、一般ウケしそうなウイルス(Virus)をテーマとさせて頂きました。では、話しをさせて頂きたいと思います。

 ウイルスとはそもそも何なのか。まあ、平たく言えば、遺伝子であるDNAまたはRNA(DNAの小さいやつ)のどちらかしかもっていないものを指して言います。そして、ウイルスはこの遺伝子(DNA,RNA)だけが一人歩きをしていて、生きている(自分で子孫を繁殖させること)、という定義にはんしている「ソフトウェア」だけの存在なのです。

 ウイルスの定義は他にもありますが、一応こういうものなんだと思ってもらってかまいません。(※1)

 では、ウイルスは何故そんなにさわがれているのでしょうか。えっ!、薬学部だけで経済学部ではそんなことは話題にもならないって!。まあまあ、ここはひとつ私の話しにつきあって下さいな。

 さて、気を取り直して「何故、ウイルスがこんなに世間で騒がれているのか?」。一言で言うと、抗生物質(ペニシリンとかそういう化学薬品)が、ウイルスにまったく効かないのです。この、「抗生物質がウイルスにまったく効かないこと」が、世間一般で騒がれていることなのです。

 これはどういうことかというと、人間の中にある自然治癒力つまり免疫力の力でしか、このウイルスに対して対抗することができないのです。要するに、ウイルスは、化学療法がほとんど意味をなさなくなるとんでもない性質をもっているのです。

 だ・か・ら、“絶対風邪に効くー”というお薬(※2)ができたら、ノーベル賞ものなのです。しかし、細菌性の風邪には、市販されている風邪薬はよく効くらしい。でも、細菌性の風邪は少なく、大半がウイルス性の風邪を人間は引いているのである。
(次回へつづく)

 

※1(一般的なウイルスの定義)…普通の顕微鏡では見えないほどの微生物。インフルエンザ・天然痘などの病原体。ビールス。
※2…現在薬局等で販売されている風邪薬は、風邪の症状を抑えたり、緩和するものばかりである。よって、必ずしも薬を飲んだからといって、全快するわけではない。