森田ゼミ96年黒旗福助トップ

hukusuke
 福助19号 
発行所 :Y.H.アカデミー
パトロン:森田ゼミナール様

能力開発学

この工夫で、記憶は倍々ゲームで増強する!
 最近、パソコンが急速に日本でも普及してきています。個人で手が届くパソコン一台が記憶できる容量は、文庫本で2000冊以上といわれています。気の遠くなる記憶量です。しかも、いったんインプットされた情報は、トラブルでもないかぎり失われることはありません。

 「コンピュータのように、目の前の情報をつぎつぎと脳にインプットし、必要なときにアウトプットできれば……」と夢想する人もいることでしょう。

 では、人間の記憶力は、コンピュータに比べて、それほど貧弱なのでしょうか。ことばや文字、数字、音、表情、味、匂い、風景、さまざまな感情……。我々人間の記憶力は、これらの膨大で複雑な情報を刻一刻と吸収し、不要なものは忘れ、必要なものを再生し、新しいアイデアや仕事を創造しています。

 そうしたことを、成果の差こそあれ、すべての人間が行っているのです。

 こう考えると、記憶力に乏しい人間はいないといって、まちがいはないでしょう。

 そして、もともと豊かな記憶力は、記憶のメカニズムを理解し、それを鍛えるノウハウを知ることで、いっそう信頼のおける能力となるのです。

 「そうはいっても、年をとるほどに記憶力は衰えていくのだが…」と、20代や30代のうちから悲観する人がいます。

 たしかに、丸暗記する能力は、10代をピークに衰えていきます。

 しかし、イメージ化やグループ化といったノウハウは、年をとるほどに強くなっていきます。さらに、蓄積された知識によって、新しいデータがより効率よく吸収されてくるものです。その意味では、記憶力は、年齢につれて強力になり、記憶量は雪ダルマ式にふくらんできます。

 記憶力とは、機械的な暗記能力をいうのではありません。自分に必要な情報を選択的かつ効率よくインプットし、意義あるかたちで効果的にアウトプットする能力なのです。