森田ゼミ96年黒旗福助トップ

hukusuke
 福助23号 
発行所 :Y.H.アカデミー
パトロン:森田ゼミナール様

能力開発学

プロの諜報員が使っていた「人心掌握マップ」とは
 東西の冷戦が終結し、真っ先にリストラの対象となったのは、米国のCIAや旧ソ連邦のKGBなど諜報機関の職員達といわれています。

 職を失ったスパイのなかには、背に腹はかえられぬと、秘密保持が義務づけられているはずの諜報員時代の体験を書きつづって、生活の足しにする人も少なくありません。そうした本物のスパイが書いた本を読むと、我々の日常生活にも応用できるノウハウがたくさんあります。その一つに、彼らスパイの人脈のつくり方があげられます。

 スパイにとっては、送りこまれた国でどれだけ豊かな人脈をつくることができるかが、情報の収集力にそのままつながります。また、その点が勤務評価の重要な基準にもつながってきます。

 そのため諜報員達は懸命に人脈づくりに励むのですが、そのとき彼らがかならず作成するのが人脈マップであります。

 人脈マップとは、自分が築いた人脈を分野ごとに整理して、家系図のように線で結んで、ひと目で全体がわかるようにした人脈地図です。

 通信社の特派員の身分で日本に駐在していたKGB機関員の場合、政治家、官僚、経済界、学者、文化人、女性組織、自治体職員、芸能人、スポーツ選手と、多彩な人脈を分野ごとに区分けして名前を記し、親しさの度合いに応じてABCとランクづけをした人脈マップを作成したそうです。

 また、諜報員達は自分の人脈マップだけでなく、接近をはかりたいと思う人物の人脈図も作成したそうです。この場合は、対象人物を一本の樹に見立てて、人脈をそこから伸びる枝にして描いたりします。

 例えば、仕事の枝、パーティ仲間の枝、テニスの枝、高校時代の枝、家族の枝といった具合に作るわけです。それぞれの枝のところに名前を記します。こうして人脈の樹を描いてみると、どの枝がいちばん繁っているか、またどの枝が細かいかがよくわかります。諜報員達は、狙いを定めた人物の人脈の樹を分析して、どこから近づいたらよいかを研究します。

 人脈の多い少ないは、人間関係力をはかる重要なバロメーターであります。あなたも諜報員達の手法を見習って、一度人脈マップや人脈の樹を作成してみてはどうでしょうか。