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■「テーマ別中級から学ぶ日本語 進階日本語中級教程 綜合用書」学習事項、文法・文型及び教案例一覧
 中国では直接法で中級以上を教えるのに適した教科書は本書の他に『ニューアプローチ』があります。
 中級は改定前の旧版ですが、ワークブックや教師用マニュアルも出版されているので、上手く活用すれば効果的な日本語指導ができる教科書です。

題 名 学習事項 文法・文型 板書・教案
1 たとえる 「猫の額」や「猫に小判」など動物を使ったことばを中心に比喩(メタファー・シミリー)を学び、各国の比喩表現を比較しながら、言葉の機能・シンボリズムを考える。
〜とき、〜と言います、たとえ{X}〜ても/でも、{Y}とは思えない、〜のなかで{N}ほど〜もの/ことはない、{イ形容詞}くて{イ形容詞}くて/だれでもいいから/V−てもらいたい、{(私が)V1}たら、{V2−た}
教案例1
2 つたえる 国際結婚をするカップルから送られてきた結婚式の招待状を通して、「伝える」手段・方法・道具、また、それらの可能性・限界を考えながら、日常生活における伝達機能について学ぶ。
{V−辞書形}ことにした、〜ようです
教案例1
3 はたらく 単身赴任をしている父親に宛てた子供の手紙から、仕事と家庭の問題を取り上げる。労働の意味、仕事と家庭、公と私について意見交換をさせる。
{イ形容詞/ナ形容詞}がっている、V−ようにしている、{N/文}なんて、{N/文}とか、{N/文}とか
教案例1
4 あきれる 外国人が日本で生活して驚いたりあきれたりしたことを紹介し、日本人の生活習慣や価値観、各国におけるそれの違いに注目する。
XがYに/を V−せる、させる、V−たばかりだ、V/イ形容詞/ナ形容詞―てたまらない、〜と聞いていた
教案例1
5 たべる 食べることの日常生活における位置づけ、また、人がそれにどう対応しているかをいろいろな側面から考察する。
〜ものだ、〜のは当たり前だ、V−てみると、〜た、どうしたら〜か
教案例1
6 あそぶ 日本人の「遊び」に対する考え方に光を当て、そこから、「遊び」とは何か、どういう「遊び」があるか、「遊び」の効用は、そして理想的な「遊び」はどうあるべきかを検討する。
X(N/文)といっても、〜、Nまで〜、〜し、〜し、もしかすると、〜かもしれません
教案例1
7 いう 言葉の使い方によって、相手への伝わり方が変わる事例を考察し、どのような言い方をすれば相手にどのように気持ちが伝えられるかを日常の言語活動の面からとらえる。
つもり、{N−の/V−た}つもりで/つもりなって、(自分では)〜つもりだ、V−させられる(使役受身)、他から動作を強制される意を表す、感情を動かされるという意味、確かに
教案例1
8 かざる 「外見より中身」という言葉をめぐって、外見が人に与える影響と外側を飾ることの意味について考える。
Nくらい(ぐらい)〜はない、{N/文}といえば、X−ば、それだけで〜、{V/イ形容詞/N/ナ形容詞である}と同時に〜
教案例1
9 あらわす 人が成長する過程で自然に身につける「男の色」「女の色」というような色の定義・区別から、色の表す意味を考え、その効用・利用・象徴性などを探る。
せっかく、どうしても、V−(よ)うとしない、V−たものだ、〜ように思う
教案例1
10 いきる アンケート用紙を通して、天職とは、本当の豊かさとは何かを考え、生きがいについて、そして人生について語り合う。
{N−の/イ形容詞/ナ形容詞―な/V−た、ない/その}まま、つまり〜ということだ、〜から〜にかけて、{N/文}やら、{N/文}やら
教案例1
11 こまる 情報社会と呼ばれる現代は、個人的な情報すら売買されている。また、それが収集、管理されているが、それはどう使われるべきで、どう使われるべきはないか。情報操作はどうあるべきかを取り上げる。
〜ものの、〜、「N/V−辞書形」につれて、〜、〜ば、〜ほど、Nとして、Nによって、「どうして〜のでしょうか」、「どのようにして〜するのか」
教案例1
12 あつまる 人の集まる形や動機、また、その集まりにおける世代を超えた付き合いや学び合いなどを取り上げ、自分の関わるグループを考えつつ、集まることの意義を確かめる。
「V−ところだ」、「これから、「V−辞書形」ところだ」、「今、「V−ている」ところだ」、「たった今「V−た」ところだ」、「Nにとって、〜」、「「V/イ形容詞/ナ形容詞―な」ものですから」、「Nがきっかけで(Nがきっかけになって)、〜」
教案例1
13 つかう 機械と人間の主従関係が逆転したように見える現在、時計を持たない生活をする人を仮定し、機械と人間のあるべき役割分担の姿を考える。
「「V/イ形容詞/ナ形容詞−な/N−の」はずだ」、「「文」からといって、〜わけではない」、「「N/文」どころか、〜」、「かえって」
教案例1
14 であう 一枚の写真との出会いによって生き方が変わった1人の人間の姿を通して、出会いの意義・大切さを振り返る。
「V−ては、〜」、「「V−た」ところ、〜」、「「V−辞書形、ている/イ形容詞/ナ形容詞−な/N−の」うちに、〜」、「まさか〜はずがない(はずはない)」
教案例1
15 わかりあう 日本の社会構造を日本人の持つ「ウチ」「ソト」の意識から説明し、その意識が日常生活でいかに反映されているのか、また、「ウチ」「ソト」は日本固有のものかを討議させる。
「わけだ、〜わけだ」、「それで〜というわけだ」、「「V−/イ形容詞/ナ形容詞/N」ながら、〜」、「V−(よ)うと」、「V−まい」
教案例1
16 がんばる ごく平均的なサラリーマンの一日の生活を追い、会社勤めをするサラリーマンについて考え、仕事優先・経済優先の社会で生きることの問題点を探りだす。
「「V−辞書形/ない」ように言う」、「V−まい」、「V−たところで」、「引用句―と(思って、祈って、願いながら等)、〜」
教案例1
17 わける 血液型性格判断の話を通して、様々な手段を使って人間をタイプに分けようとする人、それにともなうと思われる問題点を考察する。
「V−辞書形、た、ている/N−の」とおりだ」、「V−た上で、〜」、「Nによって」
教案例1
18 かこむ 生活様式の変化によって家族団欒の姿がどう変わったか、その結果何が失われたのか。また、それを取り戻すためには家族のコミュニケーションの場をどう作ればいいか等の問題を考えつつ、アイディアの交換をする。
「「V―辞書形」べきだ」、「「V−(よ)う」というのだ」、「とても〜ない」、「〜にもかかわらず、〜」、「せめて」
教案例1
19 おもいだす 父親の思い出、それとともに思い出される「昼のにおい」など、子供の頃の思い出の情景を語り、思い出とそれに預かる人の関わり方を問う。
「〜かぎり」、「どちらにしても」、「もっとも」、「「こんな、そんな、・・・/〜という」ふうだ」
教案例1
20 しらせる マスコミの王様とも言えるテレビの使命と、受け手の果たすべき役割について、さらには、マスコミ並びに報道一般について、現在の問題点・役割・債務などの諸点について広く議論する。
「{イ形容詞/ナ形容詞―な/V}ことに、〜」、「〜を通して」、「あたかも」、「{N/分}とはいえ、〜」、「〜だけに」
教案例1
21 まもる 地球上の環境汚染、自然破壊をテーマに、同じ「地球号」に乗船しているものとして、環境を守るために何ができるか、何をすべきかを1人1人の問題としてとらえられるようになることを狙う。
「{V−辞書形}−方だ」、「〜ずつ」、「比べものにならない」、「N−次第」
教案例1
22 ふれあう 上海旅行での体験を綴った文を出発点に旅の持つ意味・魅力など、人生における旅というものの位置付けを見る。
「{V/N}がち」、「さすが」、「さすが(に)〜だけあって、〜」、「さすがのN(人)も」、「〜の下で」、「それにしても」
教案例1
23 うたう 野口雨情の「シャボン玉」には、悲しい過去、苦しむ者の祈りが託されていたとの解釈を土台に、過去・現在の人の生き様を見る。
「〜以上」、「〜に応じて」、「(〜なんて)およそ〜ない」、「やむを得ず、〜する」
教案例1
24 なおす 脳死問題など、現在の医療技術がもたらした諸問題を検討し、生きることと生かされること、さらには、生きることの定義をめぐって意見を交わす。
「その一方で」、「Nをはじめ(として)、〜」、「〜をめぐって/〜をめぐるN」、「{V−辞書形}わけにはいかない」
教案例1
25 のびる 奇跡と呼ばれる日本経済の発展とその原因、そしてそれがもたらした現在の諸問題に光を当て、経済発展とその影響をいろいろな側面から取り上げ、考える。
「〜における/〜において」、「〜さえ〜ば」、「{V/N−の}たびに」、「V−つつある」
教案例1

[参考文献]
・荒井礼子他(2004)『テーマ別 中級から学ぶ日本語 教師用マニュアル』外語教学与研究出版社。

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