中国北京の日本語教育トップ

一日本語学校の視点から見る中国北京の日本語教育

日本留学と日本人教師

 本校の特色は、日本式日本語教育の模倣であり、北京の教育市場にこれを持ち込んだことである。この教育モデルで中心的な役割を担うのはもちろん日本人教師であり、これを北京に持ち込むためには、人件費だけを考えても中国人教師の2倍以上になる日本人教師を養える経営モデルにしなければならなかった。

 2000年4月は中国人の日本留学に雪解けが訪れた。日本留学希望者に対する日本語教育は、中国の日本語教育において最も高い学費を設定でき、その教育の特殊性のためにニッチェ市場として存在していた。

 このニッチェ市場は、日本の日本語学校及び大学の中国現地募集の増加が引き金となり、規模を拡大させようとしていた。

 ちなみにこれが2000年度以降の中国における日本人日本語教師の求人増加の背景である。本校は以上の市場構造下、日本式日本語教育で日本留学希望者に対して日本語教育サービスを提供する日本語学校として産声を上げた。

 この経営モデルは、日本との関係を前提とし、それにより日本人教師の人件費の負担を可能にした経営方式として斬新ではあったが、日本の入管行政及び日中関係に翻弄されてしまうために脆弱性も併せ持っていた。

 北京市における類似校は、2006年現在A校、B校及びC校がある。なお、2000年に設立された外資系大手のD校は、2003年のSARSの影響で北京から撤退したようである。


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中国 北京平成日本語学校
2006年1月 内田真人