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中国経済の特殊性 脚注

民族資本
 この概念の背景には民族自決の概念があると思われる。民族自決のためには民族を単位とした国家建設が必要であり、その国家が独立するためには自立的な経済建設は欠かせない。自立的な経済建設のためには外国資本ではなく民族資本でなければならないという考え方。


A.O.ハーシュマンの後方連鎖効果
 A.O.ハーシュマンの不均衡成長説を説明する概念。前方連鎖効果と一対になる。彼の説は経済成長が長期的には市場メカニズムによって均衡に向かうという経験則を下敷きにし、具体的な発展戦略としては前方連鎖効果と後方連鎖効果の合計がもっとも大きな産業にまず集中的に投資すべきであるとする。前方連鎖効果はある産業の発展による生産物の供給が、それを投入物として用いる他の産業の発展を促進する効果であり、後方連鎖効果はある産業による投入物の購入がそれを作っている産業の販路を拡大する効果である。この連鎖効果の分析を実際に行うと一般的に後方連鎖効果が大きいことがわかる。このことから具体的な経済発展戦略としては基礎産業に投資するよりも最終需要に近い産業に投資する方が効率的であることがわかる。


自力更生
 毛沢東指導体制下で採られた保護主義というよりも鎖国的な経済政策。当時の厳しい国際環境の中で中国が採らざるを得なかった政策である。「国防は経済より優先される」というTh.R.マルサスの指摘によりいくらか一般化することができる。


農村工業
 基本的には”人民公社営+生産隊営=農村工業”であるが統計数字をそのまま使っているので必ずしもそうはならない。それは統計上の誤差である。


はじめに
第1章 中国経済の特徴
 第1節 比較体制論と経済開発論
 第2節 中国の経済史概略
 第3節 巨大な国土と人口
第2章 開発経済学のアプローチ
 第1節 工業化政策
 第2節 W.W.ロストウの離陸
 第3節 二重経済発展モデル
第3章 農村における近代的工業部門
 第1節 郷鎮企業の発展過程
 第2節 郷鎮企業の統計分析
おわりに
参考文献

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