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テオーリア

  いったい、何が起こったというのか。
  いったい、僕が何をしたというのか。

 盗み。まさか、中学の時の万引き程度(程度というのも変だが)で今ごろ捕まるとは思えない。もう時効であろう。だいたい万引きぐらいで、こんなトコに入るというのも不自然じゃないか。
 詐欺……まあ、確かに嘘はつく。しかし、絶対的に嘘を付かない人間などいる訳が無いのだ。

 それに僕が嘘をつく場合は軽いジョーク感覚の、まったく悪意の無い嘘であって、まさか訴えられるほどの嘘を付いた事があるとは思えない。
 しかしながら『悪意の無い嘘』というのは僕の思っている限りの、いわゆる『主観的な』見解であって、客観的に、嘘を付かれた当人にとってどうかなんて正確には解らないのだが。

 傷害……これはまず無いと言えるだろう。最近喧嘩をした覚えなんて、まず無い。人を指した覚えも無いし、ぶん殴った覚えも全く無い。だいたい気の弱い僕が喧嘩なんてする訳が無い。中学を卒業してからというもの喧嘩なんて一度もしていないのだから。
 殺人……これもまず無い。この僕が人殺しをする訳も無いし、出来るとも思えない。

 それでは、僕は、いったい、何をしたのか。
 思考は同じ所をグルグルと廻り、僕は混乱、困惑、発狂を抑え込むのに精一杯だった。


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