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国際経済論22

経済成長、技術導入と産業、労働力構造

1996年12月12日

三重構造

中国には三重構造が存在している。
伝統的部門
  ↓
準近代的部門 = 郷鎮企業
  ↓      中小都市
近代的部門

近代的部門 = (国有)   国有企業はあまりのびていない。

逆行的発展

非国有部門
(1)集団企業
(2)私有企業(従業員7人以上)
(3)合弁企業(中外合弁)
(4)個人企業(従業員7人以下)
(5)株式企業

*非国有部門の急成長と国有部門の低成長

GNP     10%
工業生産 20%
貿易   30%

  78年      96年
 500億ドル → 3,000億ドル

*特に日中貿易は毎年40%以上の成長を続けている。96年は600億ドル以上と予想。

中国の経済成長を支えている非国有企業

      経済成長率
国有企業  15〜20%
集団企業  20〜25%
私有企業  30〜50%
合弁企業  50%以上

*国有企業の従業員数
 1億3,000万人 → 1億1,000万人

*一人当たりの生産が国有企業においては多くなった。
 →従業員数が減ってきている。


非国有企業の成長は、中国全体の経済にどのくらいのインパクトを与えるのか。

中国全体にとっては必ずしもメリットばかりではない。デメリットもある。


中国国有企業の占める財政収入と非国有企業の占める財政収入の状況。

       財政収入
国有企業   60〜70%
集団企業     20%  ┬あまり国の税には貢献していない。
私有企業      5%  │
合弁企業      5%以下┘


生産性

合弁 > 国有 > 集団 > 個人

郷鎮企業は技術革新にもあまり貢献していない。

経済成長の与える技術の貢献度


*中国の労働者は中卒以上が70%を占める。
「中国経済のフロンティア」 P.131 参照

経済発展と外資導入

経済発展と外資の導入を図る上で問題点が2つあげられる。

・資金(ローカル資金、外国の資金)
・技術

直接投資と間接投資

直接投資┬中外合弁企業(中国と外国との合弁で作られた企業)
    ├中外合作企業(外国が技術を提供)
    ├独資企業
    ├三来
    └補償貿易─一補

*中外合弁企業、中外合作企業、独資企業の3つを三資企業と呼ぶ。
 三資企業は20万社以上。うち、日系企業は1万社。


三来
・来料(原材料を持ってくる)
・来様(デザインを持ってくる)
・来件(部品を持ってくる)

一補
・補償をする

三来一補企業……外国の資金、デザインと中国の原材料と労働力をうまく組み合わせ
        て生産を行う。

共同開発(資源)


間接投資┬借款 ー─ ODA(政府開発資金)
    │・政府借款
    │・企業借款(銀行借款)
    │
    └株式、債権の売買
     cf.H株、D株

1979〜1984年 経済特区

1979年に中国は三つの経済特区を開く。
広東省     cf.福建省
・深セン      廈門
・珠海
・汕頭

理由
・外資導入を早く取り入れるため
・中国国内に対して模範モデル地域をPRして、他の地域を引っ張っていく。


1984〜1985年 経済技術開発区を開く

1986〜1989年 沿岸地域開発戦略
        黄金海岸

90年 全方位対外開放
    三沿戦略

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